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スリーピースだより

2025/5/6

発達障害で仕事が続かないのはなぜ?つまずきやすい理由と対処法

— 自分を責めない働き方を考える

「またすぐ辞めてしまった…」そんな自分を責めていませんか?

「新しい仕事を始めても、数ヶ月で辞めてしまう」「続けたい気持ちはあるのに、どうしても無理になってしまう」――そんなふうに感じた経験はありませんか?

発達障害のある方の中には、仕事が続かず悩んでいる方が多くいます。頑張りたいという気持ちはあるのに、環境や業務、周囲との関係でつまずいてしまい、自信を失ってしまうことも少なくありません。

この記事では、発達障害のある若い方が「仕事が続かない」と感じる理由や背景、そして少しでも働きやすくするための対処法についてまとめました。ひとつでも「自分に当てはまるかも」と思えるヒントが見つかればうれしいです。

発達障害と「仕事が続かない」の関係とは?

発達障害には、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)などさまざまな特性があります。これらの特性が、仕事の中で思わぬ困難につながることがあります。

たとえば、こんなケースがよくあります:

  • 新しい仕事を覚えるのに時間がかかり、周囲と比較して落ち込む
  • 臨機応変な対応が苦手で、突発的な仕事にパニックになる
  • 注意力が散漫でミスを繰り返してしまい、自信を失う
  • 人間関係の距離感がつかめず、孤立したように感じる

こうしたつまずきが重なると、「自分は働くことに向いていないんじゃないか」と感じてしまうのも無理はありません。でも、実はこれらの多くは、“特性と職場のミスマッチ”によって起きていることが多いのです。

「環境」が合わないだけかもしれない

「仕事が続かない」=「自分に問題がある」と考えてしまいがちですが、実際には“環境のせい”ということも少なくありません。

たとえば、

  • マルチタスクが多い仕事
  • 明確な指示が少なく、判断が求められる場面が多い
  • 忙しすぎて質問しづらい雰囲気の職場
  • 上司や同僚とのコミュニケーションが頻繁に求められる

こうした環境では、発達障害のある方が力を発揮しにくく、心身ともに負担を感じやすくなります。

逆に、

  • 作業がルーチン化されている
  • 丁寧なマニュアルや研修がある
  • コミュニケーションがシンプル
  • 自分のペースで進められる業務が多い

といった職場では、長く働けているというケースもたくさんあります。

仕事が続かなかった経験を「失敗」ととらえず、「自分に合う環境をまだ見つけられていないだけ」と考えると、気持ちが少しラクになるかもしれません。

つまずきを防ぐための「働き方」の工夫

環境を変えるだけでなく、働き方そのものを工夫することで、仕事のしやすさが大きく変わることもあります。

以下のような工夫を取り入れてみてください:

  • タスクを細かく分けて、1つずつ取り組む
     →「仕事が多すぎて何から始めればいいか分からない」を防ぎます
  • 視覚的に見える形で整理する
     →ToDoリストや付箋、タイマーを使って「見える化」することで忘れにくくなります
  • 困ったときに聞ける人を決めておく
     →毎回違う人に聞くより、信頼できる相手をつくると安心感が増します
  • ミスを責めるのではなく、仕組みで防ぐ
     →チェックリストを作る、確認ステップを入れるなどで改善できます

自分の特性を知り、それに合った「工夫」をすることは、決して逃げではありません。むしろ、それが“自分らしく働く”ための第一歩なのです。

続けられる仕事に出会うには「試してみる」ことも大切

実際にやってみなければ分からないこともあります。最初から“ぴったり合う職場”を見つけるのは難しいかもしれません。

だからこそ、いろんな仕事を“試す”機会をもつこともとても大切です。

たとえば、

  • 短期バイトや就労体験に参加してみる
  • ハローワークや地域の支援機関で仕事を紹介してもらう
  • スモールステップで少しずつ仕事を始めてみる

「一度就職したら絶対に辞めてはいけない」ということはありません。大事なのは、「自分に合う働き方」を探す旅をあきらめないことです。

続かなかった仕事の中にも、「向いていた部分」や「合わなかった理由」が隠れています。それを丁寧にふり返っていくことが、次の仕事選びのヒントになります。

支えてくれる人と一緒に考えるという選択肢

「どうやって自分に合った仕事を探せばいいか分からない」「何が得意なのかすら分からない」
そう感じているなら、無理に一人で解決しようとしなくて大丈夫です。

支援機関を通じて、専門のスタッフと一緒に自分の特性や強みを整理したり、実際の職場を体験してみたりすることもできます。

たとえば、

  • 自分の得意・不得意を一緒に言語化してくれる
  • 実習や職場見学などの機会がある
  • 履歴書や面接練習など、就活のサポートもある

第三者の視点が入ることで、「意外とこれはできるんだ」「この職種ならやれそうかも」といった発見があることも多いです。

頼れる場所を持っておくことで、不安をひとつずつ減らしながら前に進んでいけます。

自分を責めない働き方が、長く働ける働き方に変わる

何度も仕事を辞めてしまった経験があると、「また同じことになるんじゃないか」と不安になってしまいますよね。でも、経験を重ねるごとに、あなたは確実に「自分を知る力」を身につけています。

大切なのは、「合わなかった仕事に合わせる努力」ではなく、「自分に合う仕事を見つけていく視点」を持つこと。

完璧を目指す必要はありません。少しずつ、試して、工夫して、合わなければ変えていけばいいんです。

続けられなかった自分を責めるのではなく、「自分を守りながら働く方法」を探していく。その視点が、これからの働き方を大きく変えてくれるはずです。

あなたにとって“ちょうどいい働き方”が、きっと見つかりますように。

よくある質問(FAQ)

Q1. 発達障害があると、仕事を続けるのは難しいのでしょうか?
A. 発達障害があるからといって仕事を続けられないわけではありません。ただし、特性に合わない職場や働き方だと、つまずきやすくなることがあります。自分に合った環境や業務内容を選ぶことが、長く働くためのポイントになります。

Q2. 仕事が続かないと、履歴書の職歴が多くなってしまって不利ですか?
A. 職歴が多いこと自体を責める必要はありません。大切なのは、「なぜ合わなかったのか」を自分なりにふり返り、「次にどんな働き方をしたいか」を伝えられることです。自己理解を深めた上での転職活動は、前向きな印象を与えることもあります。

Q3. 自分に合った仕事が見つからないとき、どうすればいいですか?
A. いきなり「これが天職!」と思える仕事に出会うことは難しいかもしれません。短期の実習やアルバイト、就労体験などで少しずつ試していくことで、「向いているかも」「これは合わないな」といった感覚が育っていきます。

Q4. 周囲の理解が得られない職場で、どう働き続ければいいか分かりません。
A. 職場の理解不足に悩む方は多くいます。無理にすべてを理解してもらおうと頑張るより、「少しずつ相談できる関係性をつくる」「最低限のコミュニケーションで乗り切る」など、自分を守る距離感を意識してみてください。どうしても苦しい場合は、環境を変えることも選択肢のひとつです。

Q5. 自分の特性や得意なことが分からず、自信がありません。
A. 自分の強みは、意外と自分では気づきにくいものです。第三者のサポートを受けながら整理することで、「こんなことが得意なんだ」と発見できることがあります。一人で抱え込まず、誰かと一緒に“自分を知る”時間をつくってみてください。

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