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スリーピースだより

2025/10/2

「もう無理しない」うつ病を経験した私が選んだ、後悔しない転職の進め方

うつ病を経験した後に転職を考える方は少なくありません。
しかし、回復期や復職期にある方にとって「転職」という行動は、精神的・身体的な負荷を伴う大きな挑戦でもあります。

「早く働かなければ」「ブランクが長くなってしまう」と焦る一方で、再発への不安や職場環境への懸念がつきまとうこともあるでしょう。

この記事では、うつ病を経て転職を検討する方が後悔しないために、転職前に確認すべきポイントと注意すべき環境要因を整理します。
最後に、現在の準備状況を確認できるチェックリストも掲載しています。

うつ病後の転職で生じやすい課題

うつ病を経験した後に転職を考える場合、健康面と社会的な側面の両方で課題が発生しやすくなります。代表的なものを以下に挙げます。

1. 体調の波と集中力の変化
回復過程では、体調や気分の変動が残ることがあります。そのため、従来と同じ働き方や労働時間では再発のリスクが高まる可能性があります。

2. ブランク期間に対する不安
休職や退職期間が長い場合、「職務経歴の空白をどう説明するか」「再就職先が見つかるか」という不安を抱きやすい傾向があります。

3. 職場環境への懸念
以前の職場での人間関係や業務負荷が再発の一因となった場合、新しい職場選びに慎重になることが多いです。

4. 自己評価の低下
「また働けるのだろうか」「周囲に迷惑をかけないだろうか」といった自己否定的な思考が強まり、行動を妨げることもあります。

こうした課題を理解した上で、焦らず段階的に準備を整えていくことが重要です。


転職活動を始める前に確認すべき3つの準備

転職は「体調が安定してから」と考える方が多いですが、具体的にどのような状態を指すのかを明確にすることが大切です。

① 生活リズムが安定していること
毎日同じ時間に起床・就寝できる、食事や外出が無理なく行えるといった生活リズムの安定は、社会復帰に向けた基本条件です。

② 医師など専門家の意見を得ていること
主治医やカウンセラーと相談しながら、就労再開の可否を判断しましょう。医療的な視点から無理のない範囲を設定することが、再発防止につながります。

③ 支援や相談先が確保されていること
転職活動や再就職は孤独を感じやすい過程です。家族、友人、支援団体など、相談できる相手を持つことが精神的な安定につながります。


避けたほうがよい職場・働き方の特徴

うつ病の再発を防ぐためには、「避けるべき環境」を知ることが先決です。
以下のような職場や働き方は、心理的ストレスを強める要因となることがあります。

1. 成果主義・ノルマ中心の評価制度
成果や数字で強く評価される職場は、自己責任感の強い人ほど負担を感じやすくなります。

2. 業務内容が不明確で、裁量が大きい仕事
タスクが曖昧な環境では、「自分が何を求められているのか」が分かりにくく、過度な不安を感じる傾向があります。

3. 長時間労働・残業が常態化している環境
疲労の蓄積は再発のリスク要因です。休息時間を確保できない職場は避けるべきです。

4. 上司・同僚との関係が閉鎖的または競争的
心理的安全性の低い環境では、症状が安定していても再び心の不調を起こす可能性があります。

5. 休暇制度や体調管理の支援が乏しい
メンタルヘルス対応が整っていない企業では、調子が悪化した際の相談先がなく、孤立するリスクがあります。


無理せず働ける環境・職種の傾向

うつ病経験者が比較的長く安定して働きやすい環境には、いくつかの共通点があります。

1. 業務量やスケジュールが安定している
突発的な変更や納期プレッシャーが少ない仕事は、気持ちを落ち着けながら取り組みやすいです。

2. マニュアルやルールが明確に定められている
判断や対応に迷う場面が少なく、安心して作業を進められます。

3. チームワークよりも個人のペースを尊重する
他者との比較が少なく、コミュニケーションに過度なエネルギーを使わずに済む環境が理想的です。

4. 在宅勤務・時短勤務など柔軟な働き方が可能
通勤や勤務時間に制限があると、体調管理をしながら働き続けやすくなります。

5. 上司や同僚がオープンに相談を受け入れてくれる風土
困ったときに声を上げやすい環境は、安心感につながります。

職種の例としては、バックオフィス業務、データ入力、軽作業、在宅型のクリエイティブ業務などが比較的適しています。
ただし、同じ職種でも職場によって負荷の程度は異なるため、面接時に環境を確認することが重要です。


【チェックリスト】転職準備のセルフ確認ポイント

以下の項目は、転職活動を始める前に確認したいチェックリストです。
「はい」が多いほど、無理のない形で転職を進められる可能性が高いと考えられます。

生活・体調

□ 朝決まった時間に起きられる
□ 睡眠・食事のリズムが安定している
□ 外出や会話が負担にならない
□ 医師に「就労しても問題ない」と言われている
□ 気分の落ち込みが連続していない

転職活動・環境

□ 勤務時間や通勤距離を現実的に考慮している
□ ノルマや成果主義を避けている
□ 自分のペースで進められる業務を希望している
□ 面接で体調やサポート制度を確認する準備がある
□ 家族・支援者など相談できる人がいる

合計で7つ以上の項目にチェックがつく場合、転職活動を始めても大きな負担になりにくいと考えられます。
一方、半分以下の場合は、もう少し体調や環境を整える期間を設けることをおすすめします。


まとめ|「無理をしない転職」が長く働くための第一歩

うつ病の経験は、決して「働けない」という意味ではありません。
むしろ、自分の限界や心身のバランスを理解できたことは、今後の働き方を考える上で大きな財産になります。

大切なのは、“もう無理しない”という意思を持って転職に臨むことです。
体調の安定と職場の環境、この2つのバランスを見極めながら、焦らず自分に合ったペースで進めていきましょう。

焦らず、立ち止まりながら。
あなたの次の一歩が、より安定した働き方につながることを願っています。

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