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スリーピースだより

2025/11/15

仕事でその場しのぎの嘘が増える根本原因とは?|選択理論で「ごまかし癖」を手放すセルフマネジメント入門

仕事で「その場しのぎの嘘」をついてしまい、あとから強い後悔や不安に襲われる。あるいは、嘘を重ねたくないのに口が勝手に“取り繕う返事”をしてしまう。こうした悩みは「性格が悪いから」「誠実さが足りないから」と片づけられがちですが、実際にはストレス・認知の偏り・職場のコミュニケーション構造などが絡み合って起きる“行動パターン”であることが少なくありません。本記事では、その場しのぎの嘘が増える根本原因を整理し、選択理論(選択理論心理学)の枠組みで「ごまかし癖」を手放すセルフマネジメントを専門的に解説します。就労移行支援の利用を検討している方が、再発を防ぎながら職場定着へつなげるための視点と実践策も具体化します。

仕事でその場しのぎの嘘が増える人に共通するメカニズム

まず押さえたいのは、「嘘をつく/つかない」は単純な道徳の問題ではなく、状況に対する適応反応として現れやすい、という点です。仕事でその場しのぎの嘘が増えるとき、多くの場合は以下の流れが起きています。

  1. 仕事の要求(締切、品質、スピード、対人圧)が高い
  2. 本人の処理能力・余裕・準備が追いつかない
  3. 「正直に言うと責められる/評価が落ちる」という予測が強まる
  4. その場の危機を回避するために、取り繕う返答を“選ぶ”
  5. 一時的に圧が下がり、脳が「これで助かった」と学習する
  6. 次の場面でも同じ反応が再現され、習慣化する

このプロセスでは、嘘は短期的な“安全確保”として機能します。だからこそ、単に「嘘をやめよう」と意志の力で止めようとしても、同じ圧力条件が揃えば再発しやすいのです。対策の要点は、嘘を生む条件を下げ、嘘以外の選択肢(確認する、相談する、分解して報告する)を増やすことにあります。

根本原因1:叱責回避と評価不安|“守るための嘘”が習慣化する

「仕事 その場しのぎの嘘」が増える根本原因として非常に多いのが、叱責や評価低下への恐怖です。人は脅威を感じると、合理的な判断よりも「今すぐ危険を避ける」方向へ反応しやすくなります。職場での脅威とは、怒られること、嫌われること、評価が下がること、居場所がなくなることなどです。

このタイプの嘘の特徴は、内容が大きな虚偽というより「できると言ってしまう」「やったと言ってしまう」「確認したと言ってしまう」といった“肯定の上塗り”になりやすい点です。背景には、次のような思考が走っています。

  • ここで否定したら詰められる
  • できないと言うと無能だと思われる
  • 遅れていると言ったら怒られる
  • 相談すると迷惑をかける
  • 自分だけができていないとバレる

この状態に陥ると、嘘は「自分を守るための最短ルート」になります。しかし皮肉なことに、嘘は中長期で信頼低下を招き、さらに叱責や評価不安を増やします。つまり、嘘が不安を増幅し、また嘘が必要になるという循環が生まれます。根本対策は、不安をゼロにすることではなく、不安があっても“嘘以外で乗り切れる手続き”を持つことです。

根本原因2:情報処理の負荷|整理できないまま返事してしまう

その場しのぎの嘘は、対人不安だけでなく「情報処理の負荷」でも起きます。たとえば次のような状況です。

  • 指示が曖昧で、何をどこまでやれば良いか分からない
  • タスクが同時並行で、頭の中が渋滞している
  • 質問された瞬間に状況を言語化できない(言葉が出ない)
  • 進捗が見えていないため、完了見込みを出せない
  • ミスが怖くて、現状確認そのものを先延ばしにしてしまう

このとき起きるのは、悪意の嘘というより「返事の自動化」です。人は沈黙や停止を避ける傾向があるため、状況が整理できていないほど「とりあえず肯定して時間を稼ぐ」反応が出やすくなります。つまり、“嘘”の正体が「未整理のまま返事した」だった、ということも少なくありません。

対策の方向性は、コミュニケーション以前に「作業の見える化」「タスク分解」「進捗の定義」を整えることです。進捗が言えないのは誠実さではなく、情報の形がないから言えない。そう捉えると、改善が現実的になります。

根本原因3:外的コントロール環境|関係がギスギスしやすい職場構造

選択理論の文脈で重要なのが、外的コントロール(相手を思い通りに動かす発想)が強い環境では、嘘が増えやすいという点です。外的コントロールが強い職場の典型は以下です。

  • 責める、詰める、脅す、比較するコミュニケーションが多い
  • 失敗に対する許容が低く、報告が罰になっている
  • “できたか/できないか”だけで会話が終わる(途中報告が歓迎されない)
  • 理不尽な締切や過負荷が常態化している
  • 上司と部下の間に心理的安全性がない

この環境では、正直さはリスクになります。結果として、「報告=攻撃される」を避けるために、事実を隠したり、曖昧にしたり、肯定だけで切り抜けたりする行動が増えます。

ただし、職場環境をすぐに変えるのは難しいことも多いです。そこで個人ができるのは、外的コントロールの会話に巻き込まれないよう、事実と選択肢に寄せた“仕事の会話”へ戻すことです。これは後述する選択理論のセルフマネジメントで扱います。

選択理論で整えるセルフマネジメント|行動を選び直す3つの視点

選択理論は「相手を変える」のではなく、「自分の選択肢を増やす」ための理論です。「仕事 その場しのぎの嘘」に対しては、次の3つの視点が特に効果的です。

視点1:コントロールできる領域に戻る

相手が怒るかどうか、評価するかどうかはコントロールできません。コントロールできるのは、自分が何を確認し、どの粒度で報告し、どんな言葉で依頼するかです。嘘が出るときは、コントロールできない領域(相手の反応)に意識が奪われています。そこで意識を「事実の整理」へ戻します。

視点2:嘘を「悪」ではなく「選択された行動」として扱う

嘘を道徳的に断罪すると、本人は防衛的になり、修正が遅れます。選択理論的には、「嘘は自分の欲求(安全、所属、評価)を守るために選ばれた行動」と見ます。すると次にできるのは、「同じ欲求を満たす、別の行動」を探すことです。例としては、確認してから返す、途中報告を入れる、期限交渉する、優先度調整を依頼する、などです。

視点3:全体行動として“型”を入れる

その場しのぎの嘘は、不安・緊張・思考停止とセットで起きます。だから「正直に言おう」と思っても口が追いつかない。ここで必要なのは、感情に頼らず実行できる“型”です。

おすすめの型は以下です。

  • まず言う:「確認して戻します」(5分でも良い)
  • 次に言う:事実(今わかっていること)
  • その次:不確定(わかっていないこと)
  • 最後:次の一手(いつ、何をして、いつ返すか)

例:
「今の時点で正確に答えられないので確認して戻します。現状わかっているのはAまで完了していることです。Bの部分は未確認です。15分後に状況整理して、完了見込みと対応案をお伝えします。」

この型は、相手にとっても有益です。嘘より、確認宣言のほうが仕事が前に進むからです。

就労移行支援での学習が効く理由|訓練・実習・定着支援の活かし方

「ごまかし癖」を手放すには、知識だけでなく反復練習と環境調整が必要です。就労移行支援では、選択理論を活用した学習と、職場で再現できるスキル訓練をセットで進められる点が強みになります。

1) 学習:選択理論で“責める思考”を減らし、選択肢を増やす

自分を責めるほど防衛が強まり、嘘が増える悪循環が起きます。選択理論の学習は、「自分の行動を選び直せる」という立て直しの視点を提供します。結果として、嘘をゼロにするより前に「嘘が必要な状態を減らす」方向へ動けます。

2) 訓練:報連相・状況整理・言語化をスキルにする

その場しのぎの嘘の再発防止には、以下の訓練が直結します。

  • タスク分解(作業を小さく切る)
  • 進捗の定義(どこまでを完了と言うか)
  • 途中報告の練習(30秒で言える形にする)
  • 相談の練習(依頼の形にする)
  • ミスのリカバリー文(早期修正のテンプレ)

特に「途中報告ができる」だけで、嘘の必要性は大きく下がります。完了報告しかできない状態は、遅れた瞬間に嘘が生まれやすいからです。

3) 実習・定着:実環境での“型の運用”を支える

学習と訓練をしても、実際の職場では緊張で戻ることがあります。そこで重要なのが、実習や定着支援の枠組みで「型を使えた/使えなかった」を振り返り、次の一手を具体化することです。たとえば、嘘が出そうになった場面を再現し、「確認宣言」「事実→不確定→次の一手」の型を実際に口に出して練習します。これを繰り返すと、癖としての嘘が、癖としての“確認と報告”に置き換わっていきます。

仕事でその場しのぎの嘘が増えるのは、あなたが弱いからではなく、嘘が“役に立ってしまった経験”が積み重なっているからです。選択理論は、その行動を責めるのではなく、同じ欲求を満たすより良い選択肢へ置き換えるための学びです。まずは「確認して戻します」を言えるようになること、次に「途中報告」を習慣にすること。それだけでも、関係とストレスは確実に変わります。自力で難しいと感じる場合は、学習・訓練・実習をセットで進められる支援につながり、再発を防ぎながら“働き続けられる形”を一緒に作っていくのが現実的な選択です。

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