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スリーピースだより

2025/11/19

「仕事 その場しのぎの嘘」をやめたい人へ|選択理論で整えるストレス対処と職場定着の考え方

仕事でその場しのぎの嘘をついてしまい、あとで胸が苦しくなる。辻褄合わせに追われて疲れ、職場の人間関係にも不安が増えていく。「仕事 その場しのぎの嘘」は、本人の誠実さが足りないから起きるのではなく、強いストレス状況で“今すぐ危機を回避する”ために選ばれやすい行動パターンです。つまり、嘘をやめるには「嘘をつかない」と決意するだけでなく、嘘が必要になるストレス条件を下げ、嘘以外の選択肢を増やすセルフマネジメントが欠かせません。本記事では、選択理論(選択理論心理学)の視点から、嘘が増えるメカニズム、ストレス対処、職場定着につながる考え方と具体策を専門的に解説します。就労移行支援の利用を検討している方が、学習と訓練を通じて再発を防ぎ、働き続ける力を育てるためのヒントもまとめます。

「仕事 その場しのぎの嘘」がやめられないのは“意志の弱さ”ではない

「嘘をついてはいけない」と分かっているのに、その場になると口が勝手に取り繕ってしまう。こうした状態は、道徳心の欠如というより、ストレス反応と学習の結果として理解できます。

人は脅威を感じると、合理的な判断よりも「危険回避」を優先します。職場の脅威は、怒られること、責められること、評価が落ちること、居場所を失うことなどです。そこで“その場を収める発言”をすると、短期的に圧が下がり、脳は「助かった」と学習します。この成功体験が積み重なると、嘘は癖として固定化します。

また、嘘は「事実を隠す」だけでなく、「未整理のまま返事をしてしまう」ことで起きる場合もあります。状況が把握できていないのに問い詰められると、人は沈黙を避けようとして曖昧な肯定を返しがちです。これが後で“嘘”として扱われ、自己嫌悪と不信を生み、さらにストレスが増える。こうして悪循環が成立します。

だから重要なのは、嘘を責めて止めるのではなく、嘘が生まれる条件を下げること。さらに、嘘以外で危機を回避できる言い方・進め方をスキル化することです。ここで選択理論が大きな助けになります。

選択理論で見る「ごまかし癖」|嘘は“欲求を満たすための選択”として起きる

選択理論は、行動を「外から強制されて起きるもの」ではなく、「自分の欲求を満たすために選択しているもの」と捉える理論です。ここでのポイントは、嘘を正当化することではありません。嘘を“選択された行動”として扱うことで、同じ欲求をより良い行動で満たす選択肢へ置き換えられる状態を作ることです。

その場しのぎの嘘が出るとき、多くは次の欲求が関係しています。
安心したい(叱責・不利益を避けたい)
所属したい(嫌われたくない、居場所を守りたい)
価値を感じたい(無能と思われたくない、評価を落としたくない)
自由でいたい(追い詰められたくない、選択肢を残したい)

嘘が出た瞬間、本人は「悪いことをしたい」ではなく、「何かを守りたい」状態にあります。だから、嘘を断罪しても欲求は消えません。むしろ防衛が強まり、再発しやすくなります。選択理論的には、「守りたいものは何か」を言語化し、そのうえで、嘘以外の手段(確認、相談、途中報告、優先度調整)で守れるように整えていきます。これがセルフマネジメントの中核です。

ストレス対処の要点|嘘の直前に起きる“身体サイン”を扱う

仕事でその場しのぎの嘘を減らすには、心構えだけでなく、嘘の直前に起きるストレス反応を扱うことが重要です。嘘が出る場面では、感情・思考・身体反応がセットで変化します。たとえば、動悸、呼吸が浅くなる、頭が真っ白、焦り、声が早くなる、語尾が曖昧になるなどです。

ここで使えるのが、「嘘の直前に止まる」ための短い手続きです。
まず、身体サインを合図として認識する(早口、語尾が曖昧、視線が泳ぐ等)
次に、言うべき固定フレーズを決めておく
最後に、事実整理に時間を確保する

おすすめの固定フレーズは次の通りです。
「今すぐ正確に答えられないので、確認して戻します」
「現時点では断言できません。整理してからお伝えします」
「見込みを出すために情報が必要です。○分ください」

嘘の多くは“時間稼ぎ”として発生します。だから、時間稼ぎを嘘ではなく「確認宣言」に置き換えるだけで、再発率は下がります。この一言を言えること自体が、ストレス対処の技術です。

さらに、ストレスが強い人ほど「完璧に答えなければ」という思考が働きやすい点にも注意が必要です。完璧主義は、返答を難しくし、結果として取り繕いを誘発します。「正確さのために確認する」は、能力不足ではなく品質管理である、と再定義することが役立ちます。

具体スキル:嘘を減らす報連相の型|事実→影響→選択肢→依頼

嘘を減らすには、正直さを“仕事の会話”として成立させる型が必要です。おすすめは「事実→影響→選択肢→依頼」です。これは、外的コントロールが強い相手でも、会話を意思決定に寄せやすい構造です。

事実:今わかっていることだけを短く
影響:遅れやリスクがどこに影響するか
選択肢:自分が取り得る選択肢を2つ以上
依頼:相手に決めてほしいことを明確に

例:
「事実)Aの作業が想定より遅れていて、今日中の完了は難しいです。影響)このままだとBの確認が明日にずれます。選択肢)①今日18時までに途中版を出して先に確認してもらう、②明日午前に完成版を出す。依頼)どちらを優先しますか?」

この型があると、嘘をつかずに“場を収める”ことが可能になります。なぜなら、相手は感情ではなく判断材料を受け取れるからです。特に「選択肢」を出すことは、叱責の矛先を減らし、協働の空気を作ります。

加えて、途中報告を標準化すると嘘はさらに減ります。報告を「着手→途中→完了」に分け、途中報告では「現在地/詰まり/次の一手/次回更新」を短く言えるようにします。完了報告しか許されない状況ほど嘘が増えるため、途中報告の習慣化は職場定着に直結します。

職場定着の考え方|嘘をゼロにするより「再発しにくい働き方」を作る

職場定着の観点では、「嘘を一切つかない人になる」よりも、「嘘が必要にならない働き方を作る」ことが現実的で効果的です。嘘は“行動の問題”であると同時に、“環境と運用の問題”でもあります。定着に向けては、次の観点で設計します。

タスクを小さくし、進捗が言える状態にする(見えない仕事は嘘を呼ぶ)
締切の前倒しやバッファを取り、追い詰められない運用にする
不確定を許容するコミュニケーション(確認宣言、前提共有)を標準装備にする
相談を「依頼」として表現できるようにする(丸投げではなく、判断材料と選択肢を添える)
ミスの早期修正を価値にする(修正文テンプレを持つ)

特に有効なのが“リカバリーの設計”です。人はミスを恐れるほど隠しやすくなります。だから、隠す前に直せる仕組みが必要です。
「先ほどの返答は正確ではありませんでした。事実はこうです」
「誤解を招く言い方でした。整理して言い直します」
このような修正文を準備しておくと、嘘が連鎖する前に止められます。職場定着とは、完璧さではなく、崩れたときに戻れる力がある状態です。

就労移行支援でできること|選択理論×訓練で「働き続ける力」を育てる

仕事でその場しのぎの嘘をやめたいと思っても、実際の職場では緊張で元に戻ってしまうことがあります。これは意思の問題というより、習慣とストレス反応の問題です。だから、学習だけでなく、反復訓練と実環境への橋渡しが重要になります。就労移行支援では、それを体系的に進めやすい点が強みです。

まず、選択理論の学習により、外的コントロールに気づき、自分の行動選択を増やす土台を作ります。「嘘をついた自分」を責めるのではなく、「何を守ろうとしていたか」「次はどんな選択ができるか」を検討できるようになります。これがセルフマネジメントの姿勢です。

次に、実務に直結する訓練として、報連相、タスク分解、進捗の言語化、相談の出し方、ストレス対処(固定フレーズ運用)などを練習します。特にロールプレイは効果的で、嘘が出やすいシーン(詰められる、急かされる、見込みを聞かれる)を再現し、「確認宣言」「事実→影響→選択肢→依頼」を口から出せる状態へ近づけます。

さらに、実習や定着支援では、実際の環境で型が使えたかを振り返り、つまずいた点を具体的に修正します。たとえば「どの場面で身体サインが出たか」「確認宣言を言えなかった理由は何か」「代替の言い方は何か」を検討し、次回の行動計画に落とし込みます。この反復により、“癖”としてのごまかしが、“癖”としての確認と報告に置き換わっていきます。

仕事でその場しのぎの嘘をついてしまうのは、あなたが不誠実だからではありません。強いストレス下で自分を守るために、嘘が“選ばれやすい行動”になっていただけです。選択理論は、その行動を裁くためではなく、同じ欲求をより健全な方法で満たす選択肢を増やすための学びです。まずは「確認して戻します」を言えるようにすること、次に「途中報告」を標準化すること。この2つができると、ストレス対処と職場定着は現実的に進みます。もし一人では難しいと感じるなら、学習・訓練・実習を通じて再現性を高められる支援につながり、無理なく“働き続けられる形”を整えていきましょう。

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