嘘を重ねてしまうのは病気?|その場しのぎの言動と向き合うためのヒント
「気づいたら、また嘘をついてしまっていた…」
「その場をやり過ごすためだけに、つい話を合わせてしまった」
そんな自分を責めて、心が苦しくなっていませんか?
あるいは、身近な人がいつも言い訳ばかりで、嘘が多くて戸惑っているという方もいるかもしれません。
その場しのぎの嘘が習慣化してしまうのは、単なる性格の問題ではない可能性もあります。
背景には、強い不安や自己肯定感の低下、あるいは発達特性や精神的な不調が関わっていることもあるのです。
この記事では、「嘘をついてしまう自分が嫌だ」と感じている方や、「嘘をついてしまう人との関わりに悩んでいる」方のために、
その場しのぎの嘘の背景と、そこから抜け出すためのヒントをご紹介します。
どうか、ご自身を責めすぎずに。
一緒に、少しずつ「正直な自分」に近づいていけますように。

なぜ“その場しのぎの嘘”をついてしまうのか?
目次
本当はそんなつもりじゃなかったのに…と後から後悔すること、ありますよね。
その場しのぎの嘘は、意識的に「だまそう」と思っているわけではなく、多くの場合、自分を守るための無意識の反応なのです。
たとえば――
・怒られるのが怖くて、とっさにごまかしてしまう
・人から嫌われたくなくて、本音が言えずに合わせてしまう
・ミスを認めるのが怖くて、他の理由をでっち上げてしまう
こうした行動の背景には、「自分は受け入れてもらえないかもしれない」という強い不安や、「失敗してはいけない」という思い込みが隠れていることもあります。
つまり、嘘をつく=ズルい人、信用できない人と単純に決めつけられないほど、心の内側には複雑な感情があるのです。
もしかして病気?精神的な背景が関係していることも
その場しのぎの嘘が頻繁に続いたり、生活に支障が出るほどになっていたりする場合は、心の不調や発達特性が影響している可能性もあります。
以下のような特性や状態が関係していることがあります:
- 不安障害:強い不安から「今すぐこの場をしのぎたい」と感じやすくなります
- うつ病:自尊心の低下や自己否定感から、本音を言うことが怖くなる傾向があります
- ADHD(注意欠如・多動症):とっさの反応で嘘をついてしまい、あとから後悔することも
- ASD(自閉スペクトラム症):場の空気を読むのが難しく、誤解されやすい言動につながることも
- パーソナリティ障害(特に演技性・自己愛性):評価されたい気持ちから事実と違う話をしてしまうことも
もちろん、すべての人が当てはまるわけではありませんが、「どうしても嘘をやめられない」と感じる場合は、一度専門家に相談することも大切です。
原因がわかることで、自分を責める気持ちがやわらぐこともあります。
嘘をやめたい…自分の中でできること
「もう嘘をつきたくない」と思ったとき、できる小さな工夫があります。
完璧を目指す必要はありません。少しずつ「本音に近づく」練習をしていきましょう。
- 嘘をついたと気づいたとき、あとからでも訂正してみる
- 本音を伝える練習として、日記に書いてみる
- 苦手な場面を想像して、どう答えるか前もって考えておく
- 「わからない」「あとで答えます」と逃げずに保留する勇気をもつ
- 自分を否定せず、「今は怖かったんだな」と受け入れる
嘘をやめたいと思う気持ちは、「誠実に生きたい」「正直でいたい」というあなたの優しさの表れです。
すぐに変われなくても、その気持ちがあるだけで、十分前向きな一歩になっています。
周囲の人が「嘘をつく人」で困っているときは?
家族や職場など、身近に「すぐ嘘をつく人」がいて困っているという方も少なくありません。
その場しのぎの嘘が続くと、信頼関係にも影響が出てきますよね。
そんなときは、以下のような対応を心がけてみてください:
- 嘘を責めるのではなく、「どうしてそう言ったの?」と穏やかに聞く
- 繰り返される嘘のパターンを観察し、本人の不安やストレスに気づく
- 感情的に怒るよりも、「本当のことを言ってくれたら嬉しい」と伝える
- どうしても距離が必要な場合は、自分を守る関係の築き方を意識する
また、「この人にはどうしても振り回されてしまう…」という場合は、専門機関に相談することもひとつの選択肢です。
一人で抱え込まないことが、あなたの心の平穏につながります。
支援を受けながら「正直な自分」を取り戻す
心の弱りや発達特性が背景にあるときは、自分一人の力だけで行動を変えるのはとても難しいものです。
だからこそ、安心できる環境で、支援を受けながら「本音で過ごせる自分」を少しずつ取り戻していくことが大切です。
たとえば――
- 気持ちを整理するカウンセリング
- 自己理解を深めるグループワーク
- 働く前に自信をつける訓練
- 社会とのつながりを取り戻すステップ
これらは、今のあなたにとって「正直に生きられる力」を養うための道でもあります。
焦らなくても大丈夫です。
まずは、「どうしたら生きやすくなるか」を一緒に考えてくれる場所を見つけてみてください。
自分を責めないで、少しずつ本当の気持ちを話せるように
「嘘をついてしまう自分が嫌い」
「本当のことを言うのが怖い」
そんなふうに感じているあなたは、きっととても優しくて、繊細な心の持ち主です。
大丈夫です。
あなたは変われます。
時間はかかるかもしれませんが、正直な自分でいられる環境があれば、人は少しずつ安心を取り戻していけます。
まずは、小さな「正直」を大切に。
信頼できる誰かに、ほんの少しだけでも本音を話してみてください。
それが、やさしい再スタートの第一歩になりますように。
よくある質問(FAQ)
Q1. その場しのぎの嘘を繰り返してしまうのは、病気なのでしょうか?
A. 必ずしも病気とは限りませんが、強い不安や自己肯定感の低下、あるいは発達障害(ADHDやASD)やうつ病などの精神的な背景が関係していることもあります。習慣的に嘘をついてしまい、本人が困っている場合は、医療や支援の専門家に相談してみることをおすすめします。
Q2. 嘘をやめたいけれど、つい口から出てしまって後悔します。どうすればいいですか?
A. 嘘をつくことに気づけている時点で、とても大きな前進です。すぐにやめるのは難しくても、「なぜそう言ってしまったのか」「本音は何だったのか」と自分を振り返ることから始めましょう。カウンセリングや支援サービスを通して、自分の気持ちに気づく力を育てることも有効です。
Q3. 嘘をつく自分が嫌で、働くのが怖いです。就労はあきらめるべきでしょうか?
A. あきらめる必要はまったくありません。「嘘をつきたくない」と思っているあなたの気持ちは、誠実に働きたいという証です。就労前に気持ちを整理し、安心できる環境で社会復帰を目指す方法もあります。ひとりで抱え込まず、支援の手を借りながら少しずつ進んでみましょう。
Q4. 嘘をつく人が職場にいて、どう接していいかわかりません。
A. まずは、嘘そのものではなく「なぜそのような言動をするのか」に目を向けてみましょう。相手が不安やプレッシャーを抱えている可能性もあります。感情的に反応するのではなく、距離を保ちながら、信頼できる第三者に相談することも大切です。
Q5. 支援を受けるにはどうしたらいいですか?どこに相談すればいいのでしょうか?
A. 地域の保健センターや福祉課、障害者相談支援窓口などで無料相談を受けられます。また、心の状態が不安定な場合は、精神科や心療内科での診察やカウンセリングを受けるのも選択肢のひとつです。支援先はあなたの状況に合わせて紹介してもらえるので、まずは「話してみること」から始めてみてください。