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スリーピースだより

2025/8/4

「何度やっても覚えられない…」発達障害と仕事のミスマッチに悩んだときの対処法

「またミスをしてしまった…」「何度も教わったのに覚えられない」「もう、自分は働くのに向いてないのかも」
そんなふうに、心が折れそうになっていませんか?

特に発達障害のある方にとって、「仕事を覚える」というのは、思っている以上に難しいことがあるのです。周囲が当たり前にできることが、なぜか自分にはうまくいかない。そのたびに、落ち込んで、自信をなくしてしまう…。

でも、あなたがつまずいているのは、「能力が足りないから」ではありません。ただ「やり方」や「環境」が、あなたに合っていないだけかもしれません。

このページでは、「仕事を覚えられない」と悩んでいるあなたに向けて、発達障害の特性とその影響、そしてミスマッチに気づいたときの具体的な対処法について、やさしくお話ししていきます。


「覚えられない」の背景には、発達特性が関係しているかもしれません

「何度もやっているのに覚えられない」「流れを理解できずに混乱してしまう」
そんな経験はありませんか?

発達障害、とくにADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)といった特性を持つ方は、記憶の仕方や注意の向け方に独特の傾向があります。

たとえば…

  • 作業手順を順序立てて理解するのが苦手
  • 複数の情報を同時に処理するのが難しい
  • 抽象的な指示を具体的に解釈できない
  • 一度に多くのことを求められると頭が真っ白になる

こうした「脳の使い方のくせ」によって、他の人と同じ方法で学んでも、うまく記憶に定着しなかったり、手順が抜けてしまったりするのです。

これは「甘え」でも「努力不足」でもなく、あなたの脳の特性によるもの。まずはそこに気づくことが、とても大切な一歩です。


どんな仕事がミスマッチになりやすいの?

仕事の内容によっては、発達特性と大きくかけ離れてしまい、強いストレスや混乱を招くことがあります。

たとえば、以下のような仕事はミスマッチになりやすいことがあります:

  • 一度で覚えることが求められるマニュアルなしの業務
  • 状況判断が瞬時に求められる接客・電話応対中心の業務
  • その場の空気を読んで臨機応変に動く必要がある職場
  • 複数のタスクを同時にこなす必要がある業務

もちろん、発達障害があるすべての人に当てはまるわけではありません。中にはそういった業務が得意な方もいます。

でも、何度やってもうまくいかない、覚えられない、毎日が苦痛…と感じるなら、それは「あなたが悪い」のではなく、「仕事の内容があなたに合っていない」だけかもしれません。


苦手を補うための工夫やサポートはあります

発達特性による「覚えにくさ」は、工夫次第で軽減できることがあります。たとえば、以下のような工夫が役立つかもしれません。

1. 手順を視覚化する
箇条書きのチェックリスト、手順書、フローチャートなど、目に見える形で整理することで、記憶に頼らず作業ができます。

2. メモをその場で取る・写真に残す
言葉だけで聞くと忘れてしまうことも、メモに残すことで後から振り返りやすくなります。手順の画像をスマホで撮影して確認するのも有効です。

3. スケジュール管理ツールを使う
カレンダーアプリやリマインダーを活用して、時間や締切の管理をサポートしましょう。アラーム通知を活用するのもおすすめです。

4. ひとりで抱えこまない
「苦手なんです」と素直に伝えることで、配慮してもらえることもあります。言い方に迷うときは、第三者に相談するのもひとつの手です。

自分に合ったやり方を探すことは、時間がかかるかもしれません。でも、「どうせ自分はできない」と思い込まずに、小さな工夫から始めてみてくださいね。


合わない職場で無理をし続ける必要はありません

「どんな仕事でも覚えられない自分が悪い」
「努力してないと思われたくないから、がんばらなきゃ」
そんなふうに、自分を責め続けてはいませんか?

でも、本当にがんばっていない人は、そんなに苦しまないはずです。あなたは十分にがんばってきたと思います。

だからこそ知ってほしいのです。無理してがんばる場所を変えることは、逃げではありません。
むしろ、「もっと自分に合った環境を選びなおす」という、前向きな選択です。

「失敗したくない」と思う気持ちが強いほど、つい自分に厳しくなってしまうもの。でも、本当にあなたの力が活かされる場所は、別のところにあるかもしれません。


就労移行支援という選択肢もあります

「働きたい気持ちはあるけれど、仕事を覚えるのが怖い」
「自分に向いている仕事がわからない」
そんなあなたにとって、就労移行支援は心強い選択肢のひとつです。

就労移行支援では、以下のようなサポートが受けられます:

  • 自分に合った職業を一緒に探してくれる
  • 自分の特性を理解し、どう働けばいいかを考えてくれる
  • パソコンやビジネスマナーなどのスキルを自分のペースで練習できる
  • 実習を通じて、職場の雰囲気を事前に体験できる
  • 就職後のフォローも続くので、安心して働き続けられる

大阪府内にも多くの支援先があります。もし、「いきなり働くのは怖い」と感じているなら、まずは見学や相談だけでも大丈夫です。
「できるかどうか」ではなく、「いっしょに探してみよう」と思えたら、それで十分なスタートです。


おわりに:あなたに合った場所は、きっと見つかります

何度やっても仕事が覚えられない。人より時間がかかってしまう。
それだけで、「自分には価値がない」なんて、思わないでください。

発達障害があるからこそ、「得意なこと」と「苦手なこと」がはっきりしているだけ。
だからこそ、自分に合ったやり方・環境を選ぶことが、何より大切なんです。

いまの仕事が合わないと感じたら、それはあなたの力不足ではありません。
ただ、あなたの特性に合っていないだけかもしれません。

働くことがすべてではありませんが、少しずつでも前に進みたいと思っているあなたを、必要としてくれる場所は、必ずあります。
ひとりで抱えこまなくても大丈夫です。あなたのペースで、一歩ずつ進んでいきましょう。


よくある質問(FAQ)

Q. 仕事が覚えられないのは、やはり努力不足なのでしょうか?
A. いいえ。発達障害のある方は、記憶や処理の仕方に特性があります。努力していても、覚えにくいのは「脳の使い方の違い」が関係していることが多いです。

Q. 苦手なことを職場に伝えるのは怖いのですが、どうすれば?
A. 言い方を工夫することで、伝えやすくなります。「○○が苦手なので、××のように工夫しています」と前向きな表現がおすすめです。支援機関を通して相談する方法もあります。

Q. 就労移行支援は、発達障害の診断がないと使えませんか?
A. 診断書や医師の意見書があれば、手帳がなくても利用できる場合があります。まずは見学・相談から始めてみましょう。

Q. 同じことを何度も質問してしまうのが申し訳なくて…
A. 何度も聞くのが申し訳ないという気持ちはわかります。でも、それは確認や理解のために必要なことです。「どうすれば覚えやすいか」を一緒に考えてくれる職場や支援先を探しましょう。

Q. 働くのが怖い気持ちが抜けません。どうすればいいですか?
A. 無理にすぐ働こうとしなくても大丈夫です。まずは、自分の得意・不得意を知り、安心して通える場所から始めてみてください。ひとりで悩まないで、相談できる場を持つことが大切です。

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