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スリーピースだより

2025/7/28

うつ病で退職後、転職を考える前に知っておきたい5つのこと

うつ病を理由に仕事を退職した後、再び働こうと転職を考えるとき、その思いは不安と期待が入り混じるものです。
「次は絶対に後悔したくない」「また同じようにつらくなるのではないか」といった気持ちが頭をよぎることもあるでしょう。

しかし、転職を成功させるには、単に「次の職場を探す」という発想だけでは不十分です。うつ病を経験した立場から、転職という選択肢をより安全に、より納得できる形で進めるために、事前に押さえておくべき5つのポイントがあります。


まず「治療と休養」が転職準備の土台になる

転職を急ぎたい気持ちは理解できますが、体調が不安定なまま転職活動を始めると、症状の悪化や活動中断、早期離職などのリスクが高まります。実際、うつ病経験者向け転職アドバイスでは、「治療と転職活動のタイミングを慎重に検討すること」が最初のステップとされています。

私自身も、退職直後は「早く次を見つけなければ」と焦って動こうとしましたが、主治医との相談の結果、まずは十分な休養と治療期間をとる決断をしました。
これは、判断力や気力が戻る基盤をつくるための重要な時間でした。

この段階で確認しておきたいこと:

  • 主治医に「転職可能かどうか」の判断を仰ぐ
  • 睡眠・食欲・体調の波が落ち着いているか
  • 日常生活のペースが維持できているか
  • 休養中にストレス対処法(趣味・運動・対人交流など)を少しずつ取り入れてみる

このような基盤を整えることで、転職活動中に無理をせずに進む余地が生まれます。


退職の理由を整理して、軸を明確にする

退職経験をそのまま無視して転職活動を始めると、同じ問題の繰り返しになりかねません。
だからこそ、まず「なぜ退職したのか」を冷静に振り返り、次に活かすべき軸を整理することが不可欠です。

私の場合、退職時には「責任ある立場での過重労働」「相談できる人が身近にいなかったこと」「生活リズムの崩れ」が主な要因でした。
これをもとに、転職先に求める条件を以下のように定義しました。

  • 過度な残業やノルマが少ないこと
  • 上司・同僚との相談体制が整っている環境
  • 安定した勤務時間と休暇制度
  • 心理的な安全性が担保された職場文化

このような「自分の軸」が明確だと、求人選別や面接時の比較がぶれにくくなります。


心理的配慮や制度を確認できる質問を用意しておく

求人票や企業案内だけでは、実際の働きやすさはわかりません。転職活動中、面接や説明会の場で、心理的配慮や制度を確認できる質問を用意しておくことが重要です。

以下は、私が使っていた質問例です:

  • 過去に病気・休職のある社員に対して、どのような対応をしてきたか
  • 体調不良時の欠勤や時短、在宅勤務などの扱い
  • メンタルヘルスに関する研修・相談制度の有無
  • 業務量・納期のゆとり・成果主義の評価基準
  • 定期的な面談やフォローアップの仕組み
  • 職場の雰囲気・コミュニケーションスタイル

これらを面接時に確認することで、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。

また、うつ病経験者向けの転職支援情報でも、面接段階で配慮制度を確認することが推奨されています。


勤務形態・働き方の選択肢を広く持つ

うつ病経験者が転職を考える際、働き方の柔軟性は非常に重要な要素となります。固定のフルタイム勤務にこだわると、体調の波に対応しきれずに再び困難に陥る可能性があります。

私が重視した働き方の選択肢は以下の通りです:

  • 時短勤務制度が使えるか
  • フレックス勤務が可能か
  • 在宅ワークやハイブリッド勤務が認められているか
  • 部分的な裁量労働制や裁量制の導入があるか
  • 部署間の異動や業務調整の柔軟性

実際、私の転職後の職場では、最初から「週4日・時短勤務」でスタートでき、その後徐々に勤務時間を延ばしていく制度がありました。これによって、心身に無理をかけずに働くリズムを維持できています。


サポート体制を構築し、孤立しない環境をつくる

転職は新しい環境に飛び込む行為でもあり、不安や孤立感を伴いやすいものです。だからこそ、あらかじめ「支えとなる体制」を自ら構築しておくことが、安定した就労の鍵となります。

私が意識したサポート構造は以下のものです:

  • 主治医やカウンセラーとの定期連絡
  • 家族やパートナーとの情報共有・理解
  • 同じような経験をしている人とのつながり(体験談グループ、オンラインコミュニティなど)
  • 転職エージェントや専門支援機関を活用して、履歴書・面接・マッチング支援を得る
  • 入社後も相談できる制度・窓口を職場側に確認しておく

うつ病経験者向け支援機関を利用することで、求人紹介だけでなく、入社後の定着支援も受けられるケースがあります。


結び:急がないことが、後悔しない転職を生む

転職は、あなたの人生の大きな転機です。うつ病を経験したからこそ、焦って決断すると大きな負荷となる可能性があります。

しかし、上記の5つの要素を押さえ、自己理解と配慮確認を丁寧に行うことで、後悔の少ない選択が可能となります。

最後に、私からあなたに伝えたい言葉:

「もう無理しない」と決めたことは、転職を通じて大切な自分を守る第一歩です。

焦らず、自分自身を最優先に。あなたが再び安心して働ける未来へ向けて、慎重に、しかし確実に歩みを進められますように。

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