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スリーピースだより

2025/11/25

メモが苦手な理由がわかる|発達障害の視点から考える効果的なメモの取り方

仕事や訓練の場面で「メモを取ったはずなのに活かせない」「後から見返しても意味がわからない」と感じる方は少なくありません。特に発達障害の特性を持つ人にとって、一般的に推奨されるメモの取り方がうまく機能しないことは珍しくない現象です。
本記事では、なぜメモが苦手になりやすいのかを構造的に整理し、特性に合った実践的な工夫を専門的な視点から解説します。努力不足では説明できない理由を理解することが、安定した就労への第一歩になります。

発達障害の視点からメモが苦手な理由がわかる

発達障害の特性とメモが難しくなる理由

発達障害のある人がメモを苦手と感じやすい背景には、認知特性の違いがあります。例えば、注意の配分が難しい特性がある場合、「話を聞く」「理解する」「書き留める」という複数の処理を同時に行うこと自体が高い負荷になります。その結果、聞くことに集中すると書けず、書くことに集中すると内容が頭に入らないという状態が起こりやすくなります。

また、ワーキングメモリの容量に個人差があることも影響します。一時的に情報を保持しながら整理する力が弱い場合、話の途中で要点を抜き出すことが難しく、結果として情報をそのまま書き写そうとして追いつかなくなることがあります。この段階でつまずくと、「自分はメモが取れない」という自己評価が固定化されやすくなります。

一般的なメモ術が合わない構造的な理由

ビジネス書などで紹介されるメモ術は、多くの場合「要点を瞬時に判断できる」「情報を抽象化できる」ことを前提としています。しかし発達障害の特性があると、重要度の判断基準が曖昧になりやすく、どこを書けばよいのか迷っているうちに話が進んでしまうことがあります。

さらに、「後で清書する」「見返して整理する」といった工程も負担になりがちです。メモを取ること自体にエネルギーを使い切ってしまい、振り返りまで手が回らないケースも少なくありません。このように、一般的な方法が合わないのは能力の問題ではなく、設計思想が特性と噛み合っていないことが原因です。

メモの目的を再定義するという視点

メモが苦手な人ほど、「きれいにまとめなければならない」「漏れなく書かなければならない」と考えがちです。しかし、発達障害の視点では、メモの目的そのものを再定義することが重要になります。メモは記録ではなく、行動につなげるための補助具であると捉える方が現実的です。

例えば、「次に何をすればよいかが分かる」「後で誰かに確認するときの手がかりになる」程度の情報が残っていれば、メモとしては十分に機能しています。完成度を下げることは妥協ではなく、実用性を高めるための調整と考えることが、継続につながります。


発達障害の特性に合いやすいメモの取り方

発達障害のある人にとって有効なのは、情報を減らし、判断を減らすメモの取り方です。
具体的には、文章で書こうとせず、単語や記号、矢印などを多用する方法があります。意味が第三者に伝わらなくても、自分が後で思い出せるのであれば問題ありません。

また、フォーマットを固定することも有効です。毎回同じレイアウトを使うことで、どこに何を書くかを考える負担を減らせます。日時、やること、質問事項など、項目をあらかじめ決めておくことで、内容理解に集中しやすくなります。

デジタルツールとアナログの使い分け

メモの取り方 発達障害という観点では、ツール選びも重要な要素です。手書きが負担になる場合、スマートフォンやタブレットのメモアプリ、音声入力を併用することで処理負荷を下げられることがあります。一方で、入力操作が気になって話を聞けなくなる場合は、紙とペンの方が適していることもあります。

重要なのは、正解のツールを探すことではなく、自分の特性に対して負担が少ない手段を見つけることです。状況によって複数の方法を使い分けることも、十分に現実的な選択肢です。

就労を見据えたメモの練習と環境調整

メモの取り方は、個人の努力だけで完結するものではありません。実際の就労場面では、口頭指示だけでなく、チャットや文書での指示を併用してもらうなど、環境側の調整が可能な場合もあります。そのためにも、「自分はどのような形だと情報を処理しやすいか」を把握し、言語化できることが重要になります。

訓練段階では、完璧なメモを目指すよりも、「抜けても後で確認できた」「行動につなげられた」という成功体験を積み重ねることが優先されます。メモが苦手だと感じている背景を正しく理解し、特性に合った方法を選択することが、安定した働き方への現実的なステップとなります。


よくある質問(FAQ)

Q1.発達障害があると、メモが取れないのは仕方ないことなのでしょうか。

メモが取りにくいのは、努力不足ではなく認知特性による影響が大きいと考えられます。
注意配分や情報整理の方法が一般的なやり方と合っていない場合、工夫次第で負担を大きく減らすことが可能です。自分に合った方法を見つけることが重要になります。

Q2.メモを取ることに集中すると話が理解できなくなります。どう対処すればよいですか。

同時処理が負担になっている可能性があります。
すべてを書こうとせず、キーワードだけを残したり、後から確認できる前提で簡易的に書くことで、理解に割く認知リソースを確保しやすくなります。

Q3.仕事ではきちんとしたメモが求められるのではと不安です。

職場で求められるのは、きれいなメモよりも業務を正確に遂行できることです。
自分にとって実用的なメモの形を把握し、必要に応じて確認や補足を行える仕組みを作ることが、結果的に信頼につながります。

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